マリンVHF無線から聞こえてくる風の様子が変わり、翌日には天候が急変する可能性が高まることを知った。トーテムポールや彼らに会いに行くには、次の行動を考えなければならない。風の音が強まり、次第に波の音も激しくなってからではたどり着けない。
目指していたニンステンツ島まではあともう少しの所に来ていた。状況を見て適切な判断を下す必要がある。落ち着いた声で、「行きましょう」と言った。彼の言葉に、皆が頷き、漕ぎ始める。
私たちは道具で満載だったカヤックを空にし、キャンプ地の安全を確認し、必要な準備を整える。強風に備えてテントをしっかりと固定し、荷物を整理する。雨に濡れる前に焚き木を集める。低気圧がもたらす不安と、目指していた島に向かえることの喜びを感じていた。
ついにニンステンツ島に向かうのだ。私たちはカヤックに乗り込み、今日もまた漕ぎ始めた。海の色は深い青で、波が穏やかに揺れている。今のところ天候は安定している。空には薄い雲がかかり、時折太陽の光が水面に反射して眩しく輝く。私たちは静かに進みながら、周囲の自然に目を向けた。島々の間を行き交う海鳥たちの姿や、遠くに見える山々のシルエットが、私たちの心を癒してくれる。
ニンステンツ島は、ハイダ族の歴史と文化が色濃く残る場所だ。そこに到着することは、私たちにとって一つの大きな目標だった。島の神秘的な雰囲気と、その中に秘められた物語に触れることを楽しみにしている。
パドルを漕ぎ進めるたびに、島が少しずつ近づいてくるのがわかる。
ニンステンツ島が見えてきた。島に足を踏み入れたら、どんな歴史や物語が待っているのだろうか。その答えを求めて、私たちはさらなる一歩を踏み出す準備を整えた。
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